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 夢見る日記
2011.11.21(Mon)
首に添えた自分の手の温かさに驚いた
人はこんなに温かいのか

僕の制服を抱いて死んでいった曽祖母の悲しみはこれくらいだろうか
自らの学生時代の制服を身にまとい92歳の曽祖母は死んでいった
残された彼女の80年に及ぶ日記が燃え盛る中彼女の死に顔はまさに笑顔のようだ
親や親戚は長い入院生活のせいで気がおかしくなったのだと話している
だけど僕だけはその理由を知っていた
焼かれず一冊だけ残された日記
それは彼女の去年の日記だった
そこに書かれていたのは彼女が学生時代思いを寄せた人との思い出の塊だった
まるで昨日の出来事のように綴られたその日記は鮮明で潤いに満ちた悲しい日記だった
触れられず、触れもせず
彼女は思いを抱き続けた
あんなに美しい制服姿は見た事がない
制服と引き換えに受け取ったこの日記
相手を知らない僕でさえ心を弾ませてしまうような
文面に彼女のこころを感じる
僕までこの人を好きになってしまいそうだ
結ばれる事の無かったこの長い月日に彼女は今何を思っているのだろう
どこにいるのかも、死んでいるのかもわからない彼に会いに行きたかったのだろうか
それとも一番美しい思い出の中で死んでゆきたかったのだろうか
半狂乱の家族親戚たちの中
日記の燃えかすが舞い散っている

熱い、と感じた瞬間
首に添えた自分の温かさに驚いた
自分はこんなに温かいのだと
炎の向うの薄い青空に薄らと月が見える

彼女が死に際に立った「あの歳」を丁度今年僕は迎える
彼女と彼女の夢見る灰は“どこかへ向かっている”
そう僕には見えた
// 23:33 // 今日の出来事 // Comment(0)
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